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クリーピー 偽りの隣人感想(少しネタバレあり)

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黒沢清監督の最新作「クリーピー 偽りの隣人」を観てきました。


『クリーピー 偽りの隣人』予告編

あらすじ
あの人、お父さんじゃありません。全然知らない人です。隣家の少女の告白 × 未解決の一家失踪事件。二つの繋がりは、本当に恐怖の始まり——隣人が“何者”か、知ってはならない。六年前の一家失踪事件を調べる犯罪心理学者。愛する妻と引っ越した先の隣人は、人の良さそうな父親と、病弱な母親、中学生の娘。ある日、その娘が突然告げる。未解決の事件と、隣人一家の不可解な関係。二つの繋がりは、本当の恐怖の始まりでしかなかった…。


「あの人、お父さんじゃありません。」 予告でのセリフが完全にネタバレじゃないのか?!って思いながら観てたら、 そのネタバレを出しても余裕で想像を超えてくる映画でした。傑作です。

サイコパスを演じるのは香川照之香川照之ってどんな役をやっても「香川照之」じゃんって思ってたんですが、 いや今回ので見直しました、というか見方が間違っていたのかも。それくらい怪演すごかった。

「うわ、こいつ関わったらやばいな」って感じは、ヒメアノールの森田剛にも通じたところがあります。 全然会話が成立しない感じ。

でも、森田の場合は、「あ?そんなこと言ったっけ?」的な、キャッチボールをする気がない態度なんですが、 香川照之の場合は、取り付く島がない割には、どうでもいいボールに対してめちゃ拾ってくる系のヤバさです。

社交辞令的に「奥さんによろしくお伝えください」と言ったら、「は?それどういうつもりで言ってます?」と。
別にどうもこうないよ!!って思っても、香川照之の眼力がね、もう怖くて怖くて・・・うわうわ、空気悪っ!みたいな。

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しかも、サイコパスの家もまた奇妙でして、普通に見えるのは玄関だけで、中に入ると悪魔のいけにえテイスト。 ああ、見知らぬ家に足を踏み入れたらやっぱダメなのね・・・と。しかも皆一人で行くんですよ。応援呼べよってツッコミいれたくなります。

人の弱みにつけ込んで利用する能力は長けているサイコパスは、主人公(西島秀俊)の奥さん(竹中結子)をどんどん取り込み、気づけば家庭が崩壊へ。 幸せにみえる家庭が崩壊していくさまは、映画でエンタメになりうるんですけどもうちょっと刺激が欲しかったかなあと。 香川照之の動機が全然わからなくて、それこそがサイコパスたる所以なんでしょうけど、 R15指定にして香川照之竹内結子の濡れ場とかやってくれたら映画的にはウケるんだけどなあ。

原作はまた展開が違うようで、読んでみようと思います。

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とにかく黒沢清、いい作品でした。共同脚本を務めた池田千尋もグッジョブです。
この映画の教訓は、

親しくない隣人宅には、絶対に一人で行かないこと!

韓国映画としてリメイクして欲しいです。監督はパク・チャヌクで。 渇きとか、ドッペルゲンガーみたいな雰囲気ありますし、よりショッキングな映像になりそうです。

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ついでですけど、 東出昌大がキャストである割には、予告で一切でてきてないですよね? あれがこの作品の重要な手がかり・・・ではないんです、なんで予告に一切でないんだろ。事務所からのNG?よくわかりません。