ケンとカズ 感想(ネタバレあり)
ネットやラジオでちょっと話題になっている映画を観てきました。
あらすじ
「イカツイ顔」「アホそうな顔」「無気力な顔」から始まるんですが、この時点でやばそうな映画!って思いました。
実際の主人公は「イカツイ顔」のカズと、「無気力な顔」のケンなんですが、 この二人の生活レベルが底辺でね。。。
表向きは物を直す修理工場なんですが、あくまでもそれは 覚せい剤を売った金を洗浄するためにあるようなもんなんです。
ケンには彼女がいて、この腐った生活からどうにか抜けだそうとしてるんですが 一方カズはこの生活のなかにこそ自分を見出してるように思えます。
カズには痴呆の母親がいるのですが、子供の頃に虐待されていてその恨みが未だにあって、 ケンに「一緒に殺そう」と誘うほど憎んでいるんです。 ただ、結局は殺せない。それどころか、施設に入れてあげようとすらしている。 母親というつながりを断ち切ることが出来ないんです。
一方ケンはというと、彼女をとの間に新たな生命が芽生えていて、 良い父でありたいと願っています。
傍からすれば、どう見てもケン頑張れ!なんですよね、 カズはクソすぎる。でも、そのクソの原因が子供の頃の虐待だとしたら、、、
ケンが今、抜け出したいけど抜け出せない状況は カズの幼少期と似ているのかもしれません。だからこそ、ケンはカズを見捨てなかったのかなと。
映画の設定や雰囲気は「息もできない」にそっくりでした。
ラストの悲劇も似ています。 でもなんでしょうね、そこで「ああ、パクリだ」とは一切思わないです。 むしろ、「ああ、邦画でこういうものが観れて幸せだなあ」と思いました。
監督は小路紘史。まだ30歳です。これから超期待です。
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