TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ 感想(ネタバレあり)
修学旅行中に事故にあって死んでしまう大助(神木隆之介)。 目が覚めるとそこは地獄で、地獄図〈ヘルズ〉のボーカル:キラーK(長瀬智也)が待ち受けていた。 生き返るチャンスがある?わずかな望みにかけて大助は地獄の猛特訓を受ける。 大好きなひろ美ちゃん(森川葵)のところへ行けるのか。
全編ギャグテイストで、要所要所歌が入ってくるので、 ミュージカルコメディになるかと。
音楽もなかなか良いし、ギャグセンスも個人的にはアリでして、 場内も何度か笑いが起きてたんですけど、まあ、それだけの映画でした。
そもそも、この映画のテーマがよくわからないんです。 この物語が言わんとしているところ。 「命の大切さ」とか「日頃の善い行い」なんていう道徳観に満ちたテーマは無いとしても、 ただの中二病を患っている主人公が
「大好きなあの子とチューがしたい」
と渇望するだけな気が。 まあ難しいこと考えないで楽しんで観ればいいんでしょうけど、 ほんと、薄っぺらいんですよ、ものすごく薄っぺらい。 観た後で何も残らない。「あー笑ったなー」くらいです。
んで、地獄という本が一時期話題になりましたよね?
- 作者: 白仁成昭,宮次男
- 出版社/メーカー: 風濤社
- 発売日: 1980/08
- メディア: 大型本
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劇中にも実際にこれが出てくるんです。伏線とも言えない前フリで。 その後で実際に主人公が地獄に行って、実際の地獄の説明がなされるわけですけど、 まあ設定が雑。「地獄」をわかりやすくビジュアル化してみせたつもりなんでしょうけど、 中途半端だし、説明した割に出てこないものもたくさんあるし、何より全然恐ろしそうに見えない。
地獄嫌だなあ!ってならないわけです。セリフでは、「痛い苦しい」とか言ってますけど、 ビジュアルが全然そうじゃないから、全然伝わらない。そりゃ天国なんて行かなくても 地獄で十分楽しいって思いますよ。他にも、
- 2045年に2015年のメールなんてどうやって保存してるんだ?
- そもそも2045年なのに現代感が半端ない。
- なんで畜生道にしかならないのか。
- 人間道がギャグのためでしかない。
- なんで大助だけ記憶が残ってるのか。
- 天国が適当すぎ。
などなど、気にしだしたらきりがないんです。
そりゃ良く言えば「カオス」なんでしょうけど、悪く言えばただの「手抜き」かと。 世にも奇妙な物語だったら別に楽しく観られるんですが、1,800円払って観るものではないです。
最初に書いたとおり、
- 音楽はいい
- ギャグは面白い
これだけが救いです。 そこに乗れなかったら、苦痛でしか無い、まさに地獄映画です。