POSENGINEER

Poser(見せかけ) + Enginieer(エンジニア)ということで、にわかなITブログです。ITのことを全く知らない知人に自慢できるようなネタを発信します。

ブラック・スワン 感想

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「わからない」ことを「わかる」ことで見えてくる本質があるようです。

目次

【上】
プロローグ
第1部 ウンベルト・エーコの反蔵書、あるいは認められたい私たちのやり口
第1章 実証的懐疑主義者への道
第2章 イェフゲニアの黒い白鳥
第3章 投機家と売春婦
第4章 千と一日、あるいはだまされないために
第5章 追認、ああ追認
第6章 講釈の誤り
第7章 希望の控えの間で暮らす
第8章 ジャコモ・カサノヴァの尽きない運――物言わぬ証拠の問題
第9章 お遊びの誤り、またの名をオタクの不確実性
第2部 私たちには先が見えない
第10章 予測のスキャンダル
索引
【下】
第11章 鳥のフンを探して
第12章 夢の認識主義社会
第13章 画家のアペレス、あるいは予測が無理ならどうする?
第3部 果ての国に棲む灰色の白鳥
第14章 月並みの国から果ての国、また月並みの国へ
第15章 ベル・カーブ、この壮大な知的サギ
第16章 まぐれの美
第17章 ロックの狂える人、あるいはいけない所にベル型カーブ
第18章 まやかしの不確実性
第4部 おしまい
第19章 半分ずつ、あるいは黒い白鳥に立ち向かうには
エピローグ
謝辞
訳者あとがき
参考文献
注解
用語集
索引

そもそも、ブラックスワン(黒い白鳥)とは何か?(Amazon.co.jp紹介文より)

むかし西洋では、白鳥と言えば白いものと決まっていた。そのことを疑う者など一人もいなかった。ところがオーストラリア大陸の発見によって、かの地には黒い白鳥がいることがわかった。白鳥は白いという常識は、この新しい発見によって覆ってしまった。「ブラック・スワン」とは、この逸話に由来する。つまり、ほとんどありえない事象、誰も予想しなかった事象の意味である。

著者は、この黒い白鳥について3つの特徴を挙げています。

  • 予測できないこと
  • 非常に強い衝撃を与えること
  • いったん起こってしまうと、いかにもそれらしい説明がでっち上げられ、実際よりも偶然にはみえなくなったり、あらかじめわかっていたように思えたりすること

著者は黒い白鳥の生息区域を「果ての国」。 その他、つまり平均値の周辺を大半数が占めるような分布の仕方を「月並みの国」と呼んで区別しています。

月並みの国

・ベル型カーブ(ガウス分布) 例:人の身長、体重

Wikipedia - 正規分布 掲載図より

果ての国

べき乗則 例:グーグルの成功、9.11

Wikipedia - 冪乗則 掲載図より

著者が指摘する問題は、果ての国で起こる事象を、月並みの国で起こると勘違いしてしまう点なのです。 その原因について下記のように示しています。

  • 追認の誤り
    自分が信じていることや、つくりあげたものを支持してくれる事例ばかり探すこと。

  • 講釈の誤り
    互いに関連していたり、いなかったりする一連の事実に対し、それに合った説明やパターンをほしがる性質。

  • 物言わぬ証拠の誤り
    歴史を見るとき、過程のバラ色の面だけが見えてしまい、全体が見えないこと。

  • お遊びの誤り
    偶然の研究をゲームやサイコロの狭い世界に押し込めること。

例えば、

p.226-227

公平なコインがあると思ってくれ。つまり投げたときに表がでる確率も裏が出る確率も同じだ。 さて、九九回投げたら全部表だった。次に投げたら裏に出る確率はどれだけだろう?

この質問に対して、少しばかりの知識を持ってしまった人間ならば、 一回一回の結果は互いに独立だと考え、50%と答えてしまいます。

これがまさに、月並みの国の思考なのです。 ところが、果ての国での思考では、こうなってしまいます。

p.227

もちろん一%もないよ。コインには細工がしてあんだよ。公平なんてありえねえっちゅーんだ。

ところで、この黒い白鳥に対してどのように振舞えば良いのでしょうか。 本書では、下記のようなアドバイスが書かれています。 (詳細は本書を参照のこと。)

  1. いい偶然と悪い偶然を区別する
  2. 細かいことや局所的なことは見ない
  3. チャンスや、チャンスみたいに見えるものには片っ端から手を出す
  4. 政府が持ち出す、こと細かな計画には用心する
  5. 予想屋、株のアナリスト、エコノミスト、社会科学者、そういう連中とけんかしても時間の無駄

何はともあれまずは、本書を読んで黒い白鳥(わからない)の存在を認める(わかる)ことから始めましょう。

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